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蒼き謎の竜との対面(後編
「流石に何も無いか…」
がっくりとしてしまった。
「また、密林を回ってみるか。」
そう呟き空洞から出ようとした時、ふと気配を感じた。
そしてその気配は出口とは逆方向にあった。
「……探してみるか。」
そして、探すこと3分。
「ん、これは…」
それはあった。
出口とはまた違う、もう一つの抜け穴。
「これに賭けてみるか。」
……………
「くっ……」
抜け穴の先に存在し、出てきた俺を待ち構えていたのは…
「こいつが…デビルイス…!」
ようやく会えた。
その姿はリオレウスに似ている。だが…違う。
その存在感。恐怖する程悠々としている。
俺は立ち上がり、初対面となるそいつと真正面で向き合っていた。
危険だ。分かっている。広さも十分にある。戦うには最適だ。
距離も十分にある。だが。
まだ俺は武器を出そうとしなかった。
そして、デビルイスも攻撃しようとはしなかった。
ただ、お互い見つめ合っていた。
心で奴の声が聞こえる。
――用無きものよ。早々に立ち去るが良い。我は無益な殺生はせぬ。立ち去るならば、お主を殺しはせぬ。そして、誰にもこの場所を悟られるでない。――
そう、聞こえた。
「ならば、一度去ってやろう。だが。俺はまたここに来る。お前を討伐するのが俺の使命。悪いな。」
そう言って、一度俺はこの空洞を出て、村に戻った。
流石に、あいつにランスは無いだろうからな。
…………双龍剣【天地】。
あまりの強さに封印していたが、まさかこれをまた使う日が来てしまうとはな……
これはどんな事があっても使ってはいけない剣。
己をも壊しかねない魔の剣。
「……ちっ……」