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無題
砂漠に着いた。
……寄り道をしていたせいか、もう太陽が随分と高い位置にある。
俺はクーラードリンクを飲み干し、熱砂の砂漠へと歩み始めた。
「朝の記憶が正しければここに…」
そう呟いたここはエリア10。
戦闘するにはやや狭いが…仕方あるまい。
「ま、涼しいのが救いか…」
――お主、狩人だろう。――
そうだけどさ…と言いつつも、武器のチェックをする。
創雷G【極】は黄金に輝き、その鋭さを窺わせる。
――我が身体の一部を我自身の翼で持つ事になるとはの…――
翼。つまり、俺の腕部分にあたるな…。
「どんな気分なんだ?」
――ふむ、不思議という言葉しか思い当たらぬ…――
ふぅん…と返事をしながら、ただ待つ。
どれだけの時間が経っただろう。
俺の探している敵がようやく俺の目の前に現れた。
――ふむ。――
……クッ…
「なんか言ってないか?」
そうデビルイスに聞いてみると。
凄まじい異音が辺りを襲った…
「ウッ!!?」
その騒音はその竜の咆哮。
あまりの音の大きさに、空気もビリビリと震えるのが分かる。
奴とは随分離れているが、それでも鼓膜が破れそうだ…
至近距離であの咆哮をされたら…
――どう立ち回る?――
「……片手剣なんだ、接近して攻撃するしかねぇだろう…」
そう言いつつ、創雷Gを構える。
…先ずはあの腹だな…
デビルイスとは違って、柔らかそうな腹部だ。
無言のまま、走りだす。
だが、先制攻撃したのはあの竜だった。
大きく息を吸い込んだかと思うと、一気に火炎ブレスとして吐き出してきた。
いきなりの事に不意をつかれた俺はその劫火に晒される。
「グゥゥゥ…」
――お主、我と戦った時とは違うの…――
…何かが違う…その形等。
俺が今までに見たことも無いフォルムの敵って事もあるが…
そもそもこの世界の産物ですら無いような…
考え事をしている最中に、奴が近寄ってきた。
その巨躯に思わず後ずさりをする俺。
……チッ。
「クソッ、やってやるさ!」
片手剣を抜刀し、切りかかる。
だが、それを空を飛んで奴は回避した。
「他の奴らと比べても無駄に空飛びすぎだろうが!!!」
そう言いつつ懐から閃光玉を取り出し上空にいる奴目掛けて投げつける。
眩い閃光と共に奴は上空から落ちてきた。
――今しかないの。――
「分かってるさ!!」
俺は一気に懐へと潜り込み、切りつける。
鮮血が俺とデビルイス装備に飛び散る。
グギャァァァ!!!!
「ウッッ!!」
あの咆哮だ……
俺は耳を塞いだ……