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無題
俺「・・・・・・・・・!!」
――お主も感じたか。この気配を。
俺「ああ・・・。」
巧「ん?どうした?」
俺「いや、何でも無い。ちょっとあの場所に忘れ物だ。」
巧「そうか。なら、一足先に戻っておくぞ~。」
俺「ああ。そうしてくれ。」
そして、皆と別れた後に。
俺「・・・・・・デビルイス、この事は誰にも言うな。良いな。」
――何故、黙っておくのだ?我には、分からぬ。
俺「いずれは分かるだろうがな・・・お前にも分かるだろう?」
――その強さだな?
俺「ああ。他の皆を巻き込む訳にはいかないからな。」
――だが、お主だけで勝てると思っておるのか・・・?
俺「思っちゃねぇよ。だが、皆で掛かったって無理だ。」
――わざわざ勝機を捨てる様な物だぞ?
俺「・・・犠牲になるのは、俺一人で十分だ。」
――お主らしいと言えばらしいの。
俺「まぁな。じゃ、行くぞ。準備は良いか?」
――うむ。
俺「よし、目指すはあの場所の更に奥、だ。」
「・・・・・・Len・・・」
その会話を凛が聞いていたとは、Lenもデビルイスも気付かなかった。
・・・それから、40分。
俺「・・・クッ・・・・・・やはりそうだったか・・・」
――我と初めて会った時も似た言葉を発していたな。
俺「一言多い・・・。」
俺の目の前に立っているそいつ。
圧倒的な気迫で立ちはだかっていた。
俺「・・・・・・お前とは違って、喋らない様だな・・・」
――我は特別なのだ。他の龍達と同じにするでない・・・。
そう言いつつ、武器を構える。
だが、臨戦態勢に入った俺を前に、そいつのした行動は・・・
俺「・・・・・・と、飛んで行きやがった・・・・・・・・・」
――・・・・・・・・・・・・
あっけに取られる俺とデビルイス。
だが、そうあっけに取られている暇は無かった。
俺「・・・・・・あの方向は・・・!」
凛「・・・砂漠だな。」
俺「!!」
驚いて振り向くと、青ざめた表情の凛が居た。
俺「・・・チィ・・・・・・何故ここに来た!いや、そもそも何故ここに居るのを知っている!」
――恐らくは、我とお主の会話を聞いていたのであろう・・・。
凛「・・・ああ。」
俺「だったら、何故着いて来た!会話を聞いていたんだろう!」
――お主、少し落ち着くが良い。
俺「・・・・・・すまないな。」
凛「あんな奴が居るのか・・・」
俺「俺も知らなかった。」
――この我もだ・・・。
凛「私達は・・・どうなるんだ・・・?」
俺「・・・流石に分からないな・・・・・・。」
沈黙する俺達。
そして、暫くの後。
俺「・・・だが、それでも戦うのがハンターなんでね。」
凛「Len・・・」
俺「凛。あの龍には、俺だけで討伐に向かう。」
凛「何故だ・・・?」
俺「お前達を死なせたくない。ただそれだけだ。」
凛「だがっ・・・!」
俺「・・・犠牲になるのは、俺だけで十分だ。」
凛「そんな事はさせない・・・。私が許さない・・・。」
凛が厳しい口調でそう言ってきた。
凛「私は・・・あなた無しでは駄目だ!頼むから・・・」
俺「凛・・・・・・すまない・・・俺は皆を優先するんだ。皆の命の為、君の後の幸せの為に俺は犠牲になる。」
凛「あなたが居なかったら、私は幸せにはなれない!私の幸せはあなたと居る事だから・・・お願い・・・」
俺「ごめん・・・凛・・・・・・俺は1人の幸せの為に皆を犠牲にする事は出来ないんだ。今は、恐らく俺にしか出来ない事だから皆の為に俺は動かなくちゃいけない。」
凛「・・・・・・それでも・・・私は・・・」
いつの間にか、凛は涙を流していた・・・。
俺「・・・・・・凛・・・」
また、沈黙・・・
俺「分かった。」
凛「・・・?」
俺「俺だけで討伐には行く。」
凛「・・・・・・やっぱり・・なのか・・・。」
俺「だが、戻ってくる。お前の元にな。」
凛「・・・・・」
俺「約束するよ。全てを賭してな。」
凛「・・・約束、だぞ?」
俺「ああ。」
凛「なら、良い。思う存分戦ってくれ。」
俺「ありがとな。んじゃ、村に戻って最後の戦いの準備でもするか。」
凛「ああ・・・」
そう言って、一度、村に戻る事にした・・・。